大判例

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名古屋高等裁判所金沢支部 昭和32年(う)227号 判決

の各確定判決の存在することが明らかである。而して原判示第一の罪と右(イ)の確定判決による罪、原判示第二の罪と右(ロ)(ハ)の確定判決による罪との間には、夫夫刑法第四十五条後段の併合罪の関係が存在し、同法第五十条に則り未だ裁判を経ない原判示第一、第二の各罪について夫々各別に処断すべき関係にあることが明らかである。一般に有罪判決における刑法第四十五条後段併合罪の判示方法としては確定裁判のあつた罪並びに之に対する証拠を掲記し且つ右法条並びに同法第五十条を適用判示するのを至当とするのであるけれども、確定裁判のあつた罪並びに之に対する証拠及び同法第五十条の摘示を欠いていても判決の主文及び理由の記載自体により(例えば起訴にかゝる数個の犯罪が同法第四十五条前段及び後段の関係にある場合主文を二個に区分して刑の言渡を判示するが如き場合において)同法第五十条を適用した趣旨であることが窺われる以上法令適用遺脱として之を破棄すべき違法はない。原判決には右(イ)(ロ)(ハ)の各確定判決の存在について記載の存しないこと前記説示のとおりであるけれども原判決が右確定判決の存在することを考慮の上、叙上のような併合罪に関する諸規定を適用して処断した趣旨であることは原判決主文及び理由の記載自体により明らかに認め得るところであるから原判決には右各法条の適用を遺脱したものということはできない。

(裁判長裁判官 山田義盛 裁判官 沢田哲夫 裁判官 辻三雄)

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